086064 ランダム
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なっち&るんのおうち

なっち&るんのおうち

金具

娘の遺体が焼かれたあとには、4つの針金のような金具が残った。
これは手術の際に一度開いた胸骨を固定してたものだった。

娘が好きだった花のように4つの金具はとめられていた。
元気だった頃の検診の際、娘とレントゲンを見ては「お花みたいだね」
と話したことを思い出す。
お骨を骨箱に納めるときに、これは入れなかった。
元々なかったものだから・・・。

そして皮肉な事に、今は息子の体にも形は違えど埋め込まれて固定されている。
本当はこんなものにお世話になりたくなかった。

私は火葬するときが一番つらかったのかもしれない。
あのときの最期の娘を忘れない。
最期のキスをしようとしたが、ドライアイスがきつくてできなかった。
納棺する時に、お花をたくさん入れて遊んだシルバニアファミリーの人形やおもちゃ、そしてパジャマを入れてあげた。

里奈、ごめんね。
代わってあげれなくて・・・。
一緒にいてあげる事もできない。
さみしいよね?


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