金具娘の遺体が焼かれたあとには、4つの針金のような金具が残った。これは手術の際に一度開いた胸骨を固定してたものだった。 娘が好きだった花のように4つの金具はとめられていた。 元気だった頃の検診の際、娘とレントゲンを見ては「お花みたいだね」 と話したことを思い出す。 お骨を骨箱に納めるときに、これは入れなかった。 元々なかったものだから・・・。 そして皮肉な事に、今は息子の体にも形は違えど埋め込まれて固定されている。 本当はこんなものにお世話になりたくなかった。 私は火葬するときが一番つらかったのかもしれない。 あのときの最期の娘を忘れない。 最期のキスをしようとしたが、ドライアイスがきつくてできなかった。 納棺する時に、お花をたくさん入れて遊んだシルバニアファミリーの人形やおもちゃ、そしてパジャマを入れてあげた。 里奈、ごめんね。 代わってあげれなくて・・・。 一緒にいてあげる事もできない。 さみしいよね? |